会長挨拶

会長:山上 岩男

第29回日本聴神経腫瘍研究会 会長

山上 岩男

(医療法人社団誠馨会 千葉メディカルセンター 副院長・脳神経外科)

 この度第29回日本聴神経腫瘍研究会をWeb開催とし、令和2年(2020年)11月21日(土)~ 12月21日(月)までの期間、オンデマンドにて配信いたします。
 はじめに今回の研究会開催について、皆様に多大のご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。令和2年1月に始まった前代未聞のCOVID-19流行により、当初予定しておりました6月27日(土)開催を11月21日(土)へ延期させていただきました。その後もCOVID-19は収束など全く予測できない状況が続き、協議の結果会場開催を断念し、Web開催と決定しました。Web開催では、本研究会の特徴でもある“複数の関連診療科の医師が一堂に会して討論”していただくことはできません。たいへん残念で心苦しい決定でした。しかし、ご参加いただく皆様方の安全が最も重要なことと考え、Web開催が適切と判断しました。皆様にはご理解お願い申し上げます。

 日本聴神経腫瘍研究会は、「聴神経腫瘍の診断と治療に関する諸問題を集学的に検討し、本腫瘍のより適切な治療法の達成に貢献すること」を目的として設立され、1992年(平成4年)第1回研究会が開催されました。爾来、聴神経腫瘍に関わる耳鼻咽喉科、脳神経外科、放射線科など、複数の関連診療科の医師が、年に一度全国から一堂に会し、聴神経腫瘍の診断や治療だけでなく、基礎研究、関連領域研究等々、集中的に討論を行って参りました。そしてこの度、第29回を迎えました。30年の間に聴神経腫瘍の診断・治療においても、大きな進歩と変革がありました。外科手術については、大きな腫瘍に対するある意味救命的なものから、聴力・顔面機能を温存する機能外科手術に変わってきました。このような外科手術における潮流の変化をさらに加速させた一因が、ガンマナイフをはじめとした定位放射線治療でした。1990年にガンマナイフ1号機がわが国に導入されてから30年が経過しました。紆余曲折はあったものの、現在定位放射線治療は聴神経腫瘍に対するひとつの治療法として確立し、多くの患者さんにとっての福音となっています。
 このような歴史を鑑み、今回の主題を「わが国の聴神経腫瘍研究:30年の歩みと将来展望」とし、30年間の歩みを振り返り、現状と問題点を整理し、今後の方向性を探ることとしました。この主題のもと、「診断と自然歴研究」「治療」「神経線維腫症2型(NF2)」の3つのシンポジウムを計画し、演題を募集しました。それぞれのシンポジウムは、依頼させていただいたkeynote lectureと応募演題により構成しました。現時点における問題点の整理、今後の方向性を、皆様にお示しできるものと考えます。教育講演(脳神経外科領域講習1単位、耳鼻科1単位)は、福島県立医科大学齋藤清先生に「NF2に対する治療」をお願いしました。NF2のシンポジウムも加わって、NF2治療における現状・問題点、今後の展望をお示しいただきます。
 演者の皆様には、ご発表を音声入りビデオとして提出いただきました。今回は各セッションをご担当いただくコメンテーターを設定しました。コメンテーターの先生方には、ご担当いただく演題ビデオを予めご視聴いただき、その演題へのコメントを音声入りビデオで作成いただきました。

 この歴史ある集会を担当させていただくに当たり、当院スタッフ、事務局をはじめ、千葉大学脳神経外科教室・同門などのご協力のもと、鋭意準備を進めてまいりました。初めてのWeb開催となり不慣れなことも多く、皆様にご心配・ご迷惑をおかけいたしますこと重ねてお詫び申し上げます。

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